パッチ3.8にて大規模バランス変更が行われました。
Summary
- http://us.battle.net/sc2/en/blog/20372512/starcraft-ii-legacy-of-the-void-380-patch-notes-11-21-2016
- いよいよ大規模バランスパッチが適用されました。大きく環境が変わることが予想されます。
- その他にNova Covert:Ops第3段ミッションパックを含む様々なコンテンツが追加されています。
詳細
マルチプレーヤーのバランス変更
パッチ3.8が適用され、マルチプレイヤーモードの大規模バランス変更が行われました。
旧環境からの変更点をまとめていきます。
テラン
Terranの変更は主に「メック」構成を再び有効なものにすることに重点が置かれています。
Wol,HotSではメック構成はvT,vZともに有効な構成でしたが、Lotv以降新ユニット・仕様の追加やエコノミーの変更によりメックはvT,vZともに厳しい構成となっていました。
あまりにもバイオ偏重になったことを問題視する声も多かったため、メックユニットのデザイン変更を行いたい意図があるようです。
メックが使われるようになるかどうかは不明ですが、シージモードのSiege TankがMedivacで持ち上げられなくなる変更は全マッチアップに影響を与えそうですね。
Banshee
- 「Hyperflight Rotors」(速度アップ研究)にFusion Coreが必要なくなりました。
- 「Hyperflight Rotors」の研究時間が93秒から121秒に増加しました。
現状Bansheeは序盤のハラス以外あまり使われず速度アップもあまり使われていないため、より速度アップが入れやすくなります。
当初の変更案では強すぎたからか、研究時間が伸びる変更も加わりました。
Battlecruiser
- エナジーが削除されました。
- Yamato cannonとTactical Jumpは発動にエナジーを消費しなくなり、それぞれに71秒のクールダウンが設けられました。
- 「Behemoth Reactor」(エナジーアップ研究)が削除されました。
- Yamato cannonがNeural Parasiteで止められなくなりました。
ワープもできるようになってせっかくヤマト感がましたのにまったく使われなくなってしまったBCさんですが、ここにもテコ入れが入ります。
Yamato Cannonとワープのクールダウンが別々になったことで、波動砲発射後ワープですぐに離脱といったことも可能になります。
エネルギーがなくなったのでHigh Templarにフィードバックされる心配もなし。これで使われるようになるかな???
Cyclone
- 対地攻撃に大きな変更が入りました。
- ダメージが18から3(+2 vs Armored)に変更されました。
- 射程が5から4に減少しました。また、射程を2増加させる「Mag-Field Launchers」アップグレードが追加されました。
- 攻撃間隔が0.7秒から0.1秒に減少しました。
- アップグレードによるダメージの増加量が2から1に減少しました。
- 武器の名前が「Tornado Blaster」に変更されました。
- 対空攻撃はできなくなりました。
- 移動速度が4.72から4.13に減少しました。
- Lock Onスキルは空中ユニット及び空中の建物のみをターゲット出来るようになりました。ダメージは14秒間で160ダメージです。
- Lock Onスキルはオートキャスト出来なくなりました。
- 体力が120から180に増加しました。
- Cycloneの生産にTech Labが必要なくなり、Reactorから作れるようになりました。
- 通常攻撃のアニメーションが変更されました。
- 「Mag-Field Accelerator」(Lock Onスキルのダメージアップ研究)が削除されました。
もともとのCycloneの「移動速度の早いメックユニット」というコンセプトはそのままに、通常戦闘能力が格段に増しています。
機動力の無さはメック構成の弱点でしたが、ヘリオンとともに高い機動力で拡張を守っていくことができるコアユニットにしたい意図があるようです。
当初の案からはダメージ、攻撃速度ともに弱体化しましたが、それでも驚異的なDPSを誇ります。テストマップトーナメントでも主にvP序盤に多く使われていましたね。
もちろん攻撃回数が多いため相手アーマーの減衰を多く受けはしますが、現状の数字ではとても強力なユニットです。しかもリアクターから作れるので数も出していけるでしょう。
メックの救世主になれるかといった所ですが、バイオに混ぜられて使われたりもしそうです。対空は豆鉄砲になったのであまり期待しないように。
Liberator
- 対空攻撃のvs Lightボーナスが削除されました。
後述するThorの役割を明確化するための処置のようです。vTでMutaliskが再び使いやすくなる面もありそうですね。
Raven
- Auto-Turretのダメージが16から24に増加しました。
- 「Explosive Shrapnel Shells」(Seeker MissileとAuto-Turretのダメージ増加研究)が削除されました。
- 「Recalibrated Explosives」研究が追加されました。
- Seeker Missileの追尾距離が50%増加し、13から19.5になります。
- Seeker Missileのダメージが30%増加します。
以前はメックテランで猛威を振るったRavenですがすっかりおとなしくなってしまいました。
もうちょいマシにしたいということでダメージが1.5倍。DPSで42になります。
タレットのダメージ増加研究と合わせるとさすがに強すぎたのか、シーカーミサイルの強化研究に置き換わりました。追尾距離も伸びて使いやすくなりましたね。
Siege Tank
- 体力が160から175に増加しました。
- Siege Mode中のダメージが35(+15 vs Armored)から40(+30 vs Armored)に増加しました。
- Siege Mode中のSiege tankをMedivacに載せることが出来なくなりました。
- 攻撃間隔が2秒から2.14秒に増加しました。
Lotvテランの目玉要素だったシージタンクのピックアップ。クールなマイクロが見れる一方で、ユニットの特徴が失われてしまったという声もありました。
開発側もそれに同意したようで、「動けないけれど非常に強力な攻撃をする」、というコンセプトを大事にするためにピックアップ機能が削除されるようです。
その代わりに攻撃力はかなり上がっています。vs Armoredは脅威の70ダメージ。メリハリのついたデザイン変更案になっています。
当初案ではピックアップが失われたことを補えていないという判断からか、体力のバフまで付いてきました。
Thor
- 対空攻撃「Javelin Missile Launchers」の攻撃範囲が0.5から0.6に増加しました。
- High Impact Payloadモードにおいても、対空攻撃が対地攻撃に優先するようになりました。
Liberatorのnerfに伴い、対空の範囲ダメージが広がり、Mutaliskなどに対抗しやすくなっています。
またExplosive PayloadだけでなくHigh Impact Payloadモードでも攻撃が対空優先になり、より対空ユニットとしての性能が上がっています。
Viking
- Assault Modeの通常攻撃に(+8 vs Mechanical)のボーナスダメージが付きました。
Vikingの対地モードをより有効的にしつつも対地モードのためにVikingは作ってほしくない ということで、このような変更案になったようです。
プロトス
プロトスはLotvですでに大きな変更を受けたためここでの変更はそこまで大きくはありません。他種族に比べてnerfも多く、
強化や変更が多く入った他種族相手に戦っていけるのか不安に思うプロトスも多いようです。実際はどうなるでしょうか?
Adept
- 影の視界が9から2に減少しました。
Zealotを食ってプロトス地上軍の主役に躍り出たAdeptさんでしたが、その万能性や影で振り回す戦い方への対応が難しいという声もあり、
影の視界がかなり減りました。これで影をワープさせることにかなりのリスクが生じるようになり、偵察も難しくなるでしょう。
Carrier
- Release Interceptorsアビリティが削除されました。
- Interceptorの生産コストが25から5に減少し、オート生産がデフォルトでオンになりました。
開発側はRelease Interceptorスキルをあまり面白いものではなかったと考えているようで、ここを削除する代わりに、Interceptorのコストを下げて
より楽に生産できるように変更されました。生産速度が上がるわけではないため、どの程度の影響があるかはテストしてみないとまだ分からないでしょうね。
Dark Templar
- 新アビリティ「Shadow Stride」が追加されました。
- Dark Templarが短い距離をテレポート出来るようになります。発動時には煙のようなエフェクトが見えます。クールダウンは21秒です。
- Dark Shrineでの研究が必要です。コストは100/ 100,研究時間は121秒です。
Dark Templarはディテクションが無かったり少ない時には非常に強力ですが、一旦揃ってしまうとあまり仕事が出来ずArchonになってしまうだけになることが多いことから、
レイトゲーム時に存在感を増すためにこの思い切った変更案が出てきています。最初は強すぎるのではないかと思われましたが、現状あまり使われておらず、
当初案からコストが削減されることになりました。
Tempest
- サプライが4から6に増加しました。
- 対地攻撃のダメージが30から35に増加し、対地攻撃の射程は15から8に減少しました。
- 新アビリティ「Disruption Blast」が追加されました。
- 4秒間チャージし、指定地点付近の敵ユニットと敵建物を7秒間スタンさせます。
- 射程は10、クールダウン43秒、効果範囲は1.95秒、友軍には影響ありません。
当初は特定地点にダメージを与え続けるスキルが追加予定でしたが、ワーカーハラスに使われてしまい範囲スタンスキルに変更されました。
開発側はテランのメックがvPで有効でない原因の一つがTempestと考えているようで、それに対して攻撃力を少し上げつつ対地射程を減らす(当初案よりは増えた)という手段を取ってきました。
これはTvPレイトゲームにTempestを貯められるとT側が厳しかった問題の解決も図っているように思います。
また「こんな強力なユニットが何でサプライ4なの?」という声が多かったことを受けてかサプライが6に増えたため、今までのように増産は出来なくなります。対Brood Lord等にも大きく影響しそうですね。
Void Ray
- 移動速度が3.15から3.5に増加しました。
当初案にはありませんでしたが、エアユニットの変更として追加されました。わりとぬるぬる動くので今までよりかなり使いやすくなりそうですね。
Warp Prism
- 体力が100から80に減少しました。(シールドは100のままです)
当初案にはありませんでしたが、ピックアップ距離が増えてリスクが減ったことの埋め合わせを今入れたいようですね。
Zealot
- 「Charge」研究終了後、移動速度は3.15から4.13に増加します。
Lotvではゲートウェイユニットの主役をAdeptに奪われてしまった面があるため、ここにテコ入れが入ります。
移動速度上昇で引き撃ちしてくるユニットに強くなるほか、ハラス性能も上がることを開発側は見越しているようです。
ザーグ
Hydraliskの強化により、構成の多様性を挙げていきたい狙いがあるようです。Ultraliskについにnerfが入るのも注目でしょうか。
Baneling
- 「Centrifugal Hooks」(コロコロ研究)が入ると、移動速度アップに加えて体力が10増加するようになります。
当初案では最初から体力+10でしたが、序盤強力すぎるということでこの案になりました。今まで以上にコロコロ研究が重要になりますね。
Brood Lord
- 射程が11から10に減少します。
Hydralisk
- 「Evolve Muscular Augments」(移動速度アップ+射程増加研究)が2つの研究に分かれるようになります。
- Hydraliskはクリープ上で他ザーグユニットと同様に移動速度が増床するようになります。移動速度アップ後も同様です。
強力なバフ案が出てきているこのHydralisk。開発側としてはHydraliskをザーグのコアユニットの一つにしたい意図があるようです。
アップグレードが分割するなど当初案よりはマイルドになりましたが、フルアップグレード後は射程7、クリープ上でヌルヌル動くHydraliskが活躍しそうですね。
Infestor
- バロウ中にも小さなコリジョンがつくようになりました。
- 全てのスキルをバロウ中に発動可能になりました。
Wolの全盛期に比べるとかなりおとなしくなっていたInfestorですが、また多く使われるようになるかもしれませんね。
当初案の長距離ワープスキルはなくなってしまいましたが、バロウしたままのFungal GrowthやNeural Parasiteはまさに脅威といえるでしょう。
Swarm Host
- 生産コストが150/100から100/75に減少しました。
- Swoopの射程が4から6に増加しました。
- Locustの攻撃ダメージが12から10に減少しました。
HotSでのデザイン変更以降ほとんど使われなくなったSwarm Hostさん。この変更案もあまり影響を与えないだろうと思われていましたが意外や意外、
テストマップではなかなか強力だったようで、Locustのダメージが削減される結果になりました。もしかしたらまた陽の目が当たるかも・・・?
Ultralisk
- 基本装甲が1から2に増加しました。
- Chitinous Plating(装甲アップ研究)による装甲アップが4から2に減少しました。
Lotv以降この世の春を謳歌していたUltraliskさんですが、ついに調整が入るようです。最大アーマーは8から7に減少。僅かなnerfですが、
フルアップMarineの攻撃が2倍通るようになる(1→2)になることを考えれば意外と大きい変更になるかもしれません。
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