25/10/1 5.0.15 バランスアップデートが適用されました
Summary
バランスパッチ、高速実装!
9/19に彗星のごとく現れたバランスアップデート案。その後9/23にフィードバックに基づいた更新が入ったのち、
さらに更新が加わったうえで、10/1に実装となりました。
公開から2週間とスピード実装ではあったものの、フィードバックを受けて初期案から2回の改善が入っているので、
そんなに性急だったような気はしませんが、いかがでしょうか?
それでは早速内容を見ていきましょう。
バランスアップデート
ザーグ
Spire
シンプルながら、強力な変更です。ゲーム中の建物の中でもかなりコストが重く建築時間も長いSpire。
その生産コストと建築時間がともに減少し、弱点をダブルで補う変更になりました。
意図としては、次のBanelingの変更と合わせ、TvZにおけるダブルリングミュータ構成を復権させたい、といったところでしょうか?
もちろんPvZ、ZvZにも影響を及ぼしそうな変更です。
Baneling
Centrifugal HooksのBanelingへのHP増加を復活。5のHP増加を与えるように。
なかなかの基本ユニットでありながら、Lotvを通じてナーフされてきたBanelingに久々のバフ(といっても、昔あった効果の復活ではありますが)。
TvZを意識したものかな?と想いますが、Probeを+2アタックBanelingでワンショットできなくなるなど、PvZでもやや有効度が落ちていたことからの埋め合わせでしょうか。
Infestor
Microbial Shroudは、範囲内にいるユニットが受けるレンジユニットからのダメージを50%減少するようになる。
Microbial Shroudの範囲内から出たユニットに効果が残る機能を削除。
Microbial Shroudのエナジーコスト:75→100に増加。
Microbial Shroudは再び研究が必要になる。
150/
150、研究時間79s
しれっととんでもない変更になっています。もともとはエアユニットからのダメージを軽減するだけでしたが、レンジユニットからのダメージを軽減するような変更。
BWにいたDefilerのDark Swarmにちょっと似ていますね(あちらはダメージ無効というとんでもない効果でした)
ローチハイドラ vs MMMタンクやローチハイドラ vs アーコン/ストーカー/イモータルのようなレンジユニット同士の殴り合いでは自陣にかけることで絶大な威力を発揮することになるでしょう。
プロトスなら
Microbial Shroudに
Psionic Stormをあわせる事もできますが、テランはかなり難儀しそうです。
ダブルリングウルトラ主体の軍の場合では敵に向かってかけることになりますが、それでもかなり効果的になりそうですね。
ただし、Oracleの攻撃やWidow Mineなどのスペルダメージは減少できないほか、建物にも無効です。
超強力なスペルになりそうな気もしますが、実際どうなのか、実戦が楽しみです。
プロトス
Nexus
Battery Overchargeの代わりに昨年のパッチで導入された
Energy Recharge。当初は防衛力の減少が懸念されたものの、
Sentryの偵察力強化やOracleへの実質的な初期エナジー増、Shield Batteryに使用して防衛強化など、幅広いユニットに使われることでそれをカバーし、プロトスの立ち回りの幅を広げることに成功していました。
ただ流石に序盤の偵察能力が高すぎることや、Oracle、High Templarとの相性の良さが懸念されたか、かなりのパワーダウンになりました。
序盤Sentryに使われる事が多いですが、この変更が入ると、
Energy Recharge使用後には
Force Fieldのエナジーが残らないことになります。
High Templarをワープインして即使って打てる
Psionic Stormも2発→1発となっています。
Mothership
- 移動スピード:2.83→2.25に減少
初期案ではHP/シールドのナーフもありましたがなくなって、移動スピードのみのナーフとなりました。
レイトゲームでの使い勝手の良さや、即Mothershipからの敵陣リコールなどの動きがやりにくくなります。
High Templar
Psionic Stormのダメージ:3sで80ダメージ→6sで140ダメージに変更(DPS:26.7→23.3に減少)
Psionic Stormの効果半径:1.5→2に増加
Psionic Stormの射程:9→8に減少。
初期案ではストームの中をザーグユニットが楽しそうに散歩していたり、ゲーム内用語でパッチ案の内容が書かれていたりと分かりづらかった
Psionic Stormの変更ですが、さすがに実装パッチノートではすっきりわかりやすくまとまっています。
DPSはやや下がったものの、効果時間と範囲が上昇し、ゾーニング能力は上昇。その代わり射程が減少し、打つのに少しリスクが生まれています。
また、パッチ案の時点ではダメージが入る頻度が倍になり、入るダメージは半減していたのですが、その変更はなくなり、
6秒で16回、9か8ダメージずつ入るようになっています。(パッチ前が3sで10ダメージずつ8回だったので、頻度は同じ)
打たれた後にすぐ出れば以前よりダメージを抑えられますが、範囲が大きくなり、効果時間も長くなっているため、より強力になったと感じる人も多いのではないでしょうか。
移動速度が早くないユニットに対しては、明確に強化と言っていいでしょう。
Dark Templar
飛んでいった後すぐ攻撃してくれるようになるので、シンプルなバフになります。序盤でこの研究を見かけることがそこまでないので、もっとこの研究を使ってほしい、という意図でしょうか。
Observer
クロークがバレなければ常駐して広い視界を取り続けられるほか、F2使用時にもその場に居続けてくれる点において重宝されれていた
Surveillance Modeですが、
この変更が入ると常駐の偵察能力を少し失うことになりますし、クロークを維持してほしいとなるとF2も使いにくくなりそうです。
主にTvPを意図した変更と思われ、テランの軍の把握が以前よりも難しくなるのは間違いないでしょう。
Disruptor
Psionic Stormの変更と合わせ、プロトスAOEの強化となります。パッチ案段階では効果半径の増加もあったのですが、それはなくなりました。
複数のDisruptorが少しずつ少しずつ打つ、武田の鉄砲隊方式の運用がより強力になりそうです。
Oracle
こちらはナーフ。マップの至る所に
Stasis Wardを埋め込んでおいて、進軍を遅らせたり罠にはめたりするプレーがしっかりめに弱くなります。
テランの変更案
Siege Tank
- シージモード時、Viperの
Abductによって引っ張られなくなる。
Siege Tankはシージモード中、杭のようなものを地面に打ち込んでいるようなので(Hotsオープニング参照)、ユニットのアイデンティティを守る、という観点では理解できる変更です。
Blinding Cloudという対処法もあるので、Siege Tankにはそちらを使ってくれよ、ということでしょうか。テランがSiege Tankを散らして配置する行動が報われやすくなる変更ですね。
Viking
当初は125/50にするよという変更案でしたが、調整の末に125/75になりました。
ちょっと意図が読みづらい変更ですが、プロトスのAOE2種類が強化になるため、せめてColossusには対処しやすくなるように、ということでしょうか?
Widow Mine
Drilling Claws研究時の潜る時間:1.07s→0.71sに減少
あまり有効的に使われているシーンが見られなくなった研究ではありますので、ここで有効性を上げたい、ということでしょうか。
Energy RechargeのナーフでP側の偵察能力がやや落ちるため、序盤のハラスとしての有用性は上がりそうです。
Banshee
Hyperflight Rotorsの研究時間:100s→79sに減少
テランからすれば嬉しい変更だとは思います。TvZでメックが増えたので、割と使われていたとも思うのですが、もっともっと使ってくれ、ということでしょうか。
Liberator
- Liberatorの視界:10→9に減少
まぁ視界が1減るだけか、と思ったのですが、Redditを見て確かめたところ、
「
Defender Mode時に展開範囲の視界を得る」という別の能力もなくなっていることが判明。
Advanced Ballisticsを入れると分かりやすいのですが、展開範囲のおよそ半分の視界が取れなくなっています。PTRと書いてありますが、ライブ版も同様です。
[Liberator]]を最大に活かすには視界確保が必要となりますので、かなり大きなナーフになりそう。特にハラスで使う時に影響しそうです。
ただ、後述するバグ修正によりキビキビシージするようになり、使いやすさはアップしています。
Ghost
これは変更案にはなかった変更です。Infestorの
Microbial ShroudやHigh Templarの
Psionic Stormの強化に対抗するため、
Ghostを出しやすくする、というのは悪くない調整ではないかと思います。
合わせてLight属性をつけることで、大量のGhostに対してBanelingやColossusで対抗できるように、というのも上手いやり方ではないでしょうか。
バグ修正、QOLチェンジ
※一部のものだけ抜き出しています。
- プロトスのAOEインジケーターをアップデート。
- Cycloneがアタックアップグレードで+1しか得られていなかった問題を修正(本当は+2)
パッチ案の記事では自分がこの英文を読み間違い、逆の意味に取っていました。これはCycloneにとってはバフになります。失礼しました。
- Cycloneの
Lock Onのクールダウンの問題を修正。
悪名高きバグがやっと直るようです。これは何より。
- Mothershipの攻撃射程が意図よりも短かった問題を修正。
- Mothershipが攻撃時に、攻撃優先度の低いユニットを優先していた問題を修正。
- 輸送機から降りたユニットが、ターゲットを最寄りのユニットにリセットしていなかった問題を修正。
- Orbital Commandがオートラリーしていなかった問題を修正。
- Fog of War内の一部のスキル(
Parastic Bomb、
Stimpackなど)が見えた問題を修正。 - DisruptorにAOEインジケーターがなかった問題を修正。
- Oracleの
Stasis Wardに設置前のビジュアルインジケーター・サウンドが無かった問題を修正。 - Liberatorがシージ範囲内にシージする場合、シージ範囲外にシージする時よりもゆっくりとシージしていた問題を修正。
- BroodlingがBrood Lordと敵の位置関係によって、発射されなかったり発射が遅れたりする問題を修正。
Stimpack使用時、体力を余分に消費していた問題を修正(これを防ぐため、短いクールダウンが導入された)- ThorやSiege Tankが味方をプッシュする優先度を増加。小さな味方ユニットに囲まれた時の挙動が改善。
- その他、大量のバグ修正。多すぎるので自分でチェックしてくれ!
https://news.blizzard.com/en-us/article/24225313/starcraft-ii-5-0-15-patch-notes
感想
9/19に最初の変更案が出た時、Blizzard主体で新パッチ案が来た、ということは喜ばしかったものの、内容は首を傾げるものが多く、これ大丈夫か…?という声も多く聞かれました。
それが9/23の更新で改善され、さらに今回の実装版では更に良くなり、意図もわかりやすくなったと感じました。
短期間でここまでブラッシュアップされたのは驚きましたし、今後のバランスアップデートも期待していいのでは?という感じがしています。
もちろん、このパッチを経てバランスが実際にどう変化するのか?が大事ではあります。TvPのような難しかったマッチアップは改善を見ているでしょうか?
みなさんもさっそく新パッチを楽しんでみてください!
