20/5/19 バランスアップデート案が更新されました。
Summary
- https://news.blizzard.com/en-us/starcraft2/23429406/balance-update-may-19-2020
- 先月末に公開されたバランスアップデート案が更新されました。今回のものがライブ環境に実装される予定です。
詳細
先月末に公開されたバランスアップデート案(詳細はこちら→20/4/29 バランスアップデート案が公開されました。)。
BlizzardがスポンサーしたWardi TVのバランステストトーナメントを経て、最終的な案がまとまったとのことです。
前回のバランスアップデート案の主な目的は以下の2つでした。
- ZvPレイトゲームの改善
- PvPにおいてのディフェンダーズアドバンテージの改善
これを踏まえてプロプレイヤーからのフィードバックのうち主流な以下の2点
- ザーグの変更が、目的であるZvPの変更と比べてZvTにどう影響を与えるか?(ZvTには影響をあまり与えたくない)
- 新アビリティ、Battery Overchargeの使い勝手と有用性はどうか?
に注目し、最終的な考えをまとめています。
変更案についてのバランスチームの考え
Queenについて
前回提案された変更案は以下の通りです。
- Queenの対空射程:8→7に減少
バランステストトーナメント(以下、テスト大会)を見る限り、この変更に対して大きな懸念はなく、ZvPよりZvTのほうにインパクトがある、という判断もしていないとのこと。
vsBattlecruiserに関しては懸念していたものの、そもそもBattlecruiser自体が下火で、出てきたときも今までとそう変わらず対応できており、
むしろBansheeやLiberatorに対してインパクトが有る、というフィードバックを得たようです。
Battlecruiserが下火とはいえこの変更により再度Battlecruiserの有用性が上がり、多く使われるようになったときにどうなるか、といった所でしょうか。
結果としてメックの復権につながってくるのかもしれません。
一方vsOracleに関してはOracleがギリギリ生き残るシーンも多く見られ、これは意図通りとのことですね。
Creep Tumorについて
前回提案された変更案は以下の通りです。
- 「Armored」タグを除去し、「Light」タグを付与する。
開発チームは当初この変更はZvPよりZvTへの影響が強いのではないかと疑っていたようですが、テスト大会を見る限り、この変更を進めても良さそうだと判断したようです。
この変更によりHellionに追加で狩られたであろうCreep Tumorは多くありませんでした。
これはバイオ構成においてHellionが継続的に出てくるわけではないこと、トップザーグはCreep Tumorを守る能力に長けているからだろうと分析しています。
一方現在下火なメックではHellionが継続して出てきますので、苦戦しがちなメックのクリープ潰しがかなり楽になり、これもメック復権に繋がりそうな印象がありますね。
一方プロトス側がAdeptなどにより今まででは不可能だったCreep Tumor狩りを果たしているシーンは複数見られたとのこと。これも意図通りですね。
Banelingについて
前回提案された変更案は以下の通りです。
Centrifugal HooksのBanelingの体力+5増加→削除。Centrifugal Hooksのコスト:150/150→100/100に減少。
この変更はZvPよりZvTへのインパクトが強いと判断されたため、無くなりました。
とはいえZvPレイトゲームにおいてザーグ側が有利になりがちなのはHive以前のプロトスの攻撃に対してBanelingが中心的な役割を果たしている面もあるなどの理由から、
Banelingの正面戦闘能力を少し削るために、以下の変更案になりました。
- Banelingの攻撃ダメージ:20(+15 vs Light)→18(+17 vs Light)に変更。
この変更によりBanelingのLightユニット以外への戦闘能力が下がり、ZvPのザーグのレイトゲーム移行が以前より難しくなる一方、
ZvTにおけるテランバイオ軍に対する軍(中盤まではMarineメイン)への影響はそこまで大きくないだろう、という判断ですね。
Marauder、Roach、Stalker、Siege Tankなどには今までよりも1体多くのBanelingが必要になるとのこと。
なんだかんだ言ってZvTへの影響も小さくなさそうな変更ですが、どうなるでしょうか。
Oracleについて
前回提案された変更案は以下の通りです。
この変更は今回の変更案の中で最も好印象を持った変更案だとのこと。
テスト大会においてほとんど全てのプロトスがこの変更を何らかの形で活用していたものとのことで、開発チームも驚いたようです。
将来Oracleの使われ方がどう進化していくか楽しみだ、とも述べています。
Battery Overchargeについて
前回提案された変更案は以下の通りです。
- 新アビリティ:Battery Overcharge
対象のShield Batteryのシールド回復レートを100%増加させ、21秒で100エナジーを回復させる。コスト75エナジー、クールダウン0秒、射程8。
以下のような仕様に変更されます。
- 14秒間、Nexus近くの対象のShield Batteryのシールド回復レートを100%増加させ、エナジーを消費しなくなる。
- コスト50エナジー、クールダウン60秒(全Nexusで共有)、射程無限(ただし使えるのはNexus近くのShield Batteryのみ)
(主にPミラーにおける)プロトスのディフェンダーズアドバンテージを増加させるための新スキルがBattery Overchargeです。
前回の仕様では対象のShield Batteryの近くのNexusしかキャストできず使い勝手が悪かったのですが、どのNexusからもキャストできるようにすることで使い勝手が上昇。
一方レイトゲームで複数Nexusから撃ちまくることはできないように、グローバルクールダウンが設けられました。
前回の仕様でもPvPにおけるサードのディフェンスに役立ってはいたものの、同じくターゲットだった1ベースプロキシロボImmortalへの防御力向上のため、エナジーコストをダウン。その代わり効果時間が減少しました。
また、前回の仕様では「エナジーがMAX近くのShield Batteryに使ったほうが得だったため、意図的にShield Batteryのオートキャストを最初は切っておくなどの意図しない操作負担が発生。
そのため効果時間中はエナジーが減らないようにして、どんな状態のShield Batteryでも効果が最大限に得られ得るようになりました。
PvPを意図した変更ではありますが、当然TvPやZvPにも影響がありそうです。
新スキルは最初は強力に設定されることが多い(Microbial Shroud?なんのことです?)ため、今後他マッチアップとの兼ね合いをみて調整されていくのかもしれませんね。
まとめ
開発チームによると、一応今回の変更案が決定稿となり、バグフィクスを行った後、6月上旬にライブ環境に適用したいとのこと。
ザーグにとっては複数面のナーフになりますが、GSLではRo8でザーグが消えるなどあまり活躍できていない現状もあります。
Serralは相変わらず強いですが、ヨーロッパでもテランの結果が良くなってきていたりもします。
実際にこのまま入るかどうかは6月上旬になってからまた報告したいと思います。
最後に実装予定の変更案のまとめを以下に記します。
変更案の最終リスト
テランの変更案
Widow Mine
- Drilling ClawsはWidow Mineバロウ時の常時クロークを与えなくなり、代わりにArmoryが与えるようになる。
- Widow Mineの赤いレーザーはArmoryの存在(つまりバロウ時の常時クローク)を通知し、Drilling Clawsの終了は通知しない。
ザーグの変更案
Queen
- Queenの対空射程:8→7に減少
Baneling
- Banelingの攻撃ダメージ:20(+15 vs Light)→18(+17 vs Light)に変更。
Infestor
Creep Tumor
- 「Armored」タグを除去し、「Light」タグを付与する。
プロトスの変更案
Nexus
- 新アビリティ:Battery Overcharge
- 14秒間、Nexus近くの対象のShield Batteryのシールド回復レートを100%増加させ、エナジーを消費しなくなる。
- コスト50エナジー、クールダウン60秒(全Nexusで共有)、射程無限(ただし使えるのはNexus近くのShield Batteryのみ)