19/1/17 Community Updateが公開されました。
目次
Summary
- https://us.battle.net/forums/en/sc2/topic/20770817037
- 多くの変更点が挙げられており、新シーズン開始(1/22)と同時にライブ環境に実装したいとのことです。
詳細
大規模バランス変更から2ヶ月。今年は昨年一昨年と異なり大規模変更後のバランス調整は行われませんでしたが、
ここ2ヶ月の大会やショーマッチ、得られたフィードバックなどをもとにいくつかの調整がついに行われます。
4.8パッチで変更されたユニットの再調整や、強化が足りなかったものの再強化を含め、
レイトゲームの多様性やPvZにおけるオープニング・ユニット構成の多様性を増やしたいとのことです。
開発チームの意図としては、新ラダーシーズンが始まる1/22に合わせてこの調整をライブ環境に実装したいようです。
テラン
Cyclone
- Mag-Field Acceleratorの研究時間:79秒→100秒に増加。
4.8パッチであるべき姿に戻ったCyclone。水を得た魚のように様々なマッチアップで活躍しており、特にTvZにおいての強さが指摘されていますが、ザーグ側の対策もまだ発展中のため、まだ様子を見たいとのこと。
今回の調整はMag-Field Acceleratorがアーリーゲーム、特にTvPのプロキシオールインなどで用いられる際に発揮するパワーを軽減させたい意図があるようです。
Thor
Tempestの強化もあり、TvPのレイトゲームはプロトス有利であるというフィードバックが来ているとのこと。
これに対しThorの対空攻撃を強化することで、射程アップLiberatorやBattlecruiserなど、テランがレイトゲームテックに行きやすくしたいようですね。
加えてTvTにおけるエアアドバンテージの重要性を下げたい意図もあるようです。エアを取ったほうがLiberatorでSiege Tankを削ることができるのが現状ですので、それに対するカウンターになってほしいわけですね。
もちろんTvZのvs Brood Lordにも影響を与えるでしょう。Brood Lordに射程で1勝てるようになりますので、メック時にBrood Lordを揃えられた時でも対抗できるようになるかもしれません。
射程増加はゲームバランスに大きな影響を与えがちですので、この変更には注視していきたいとのことです。
Battlecruiser
- Weapon Refitの研究時間:43秒→100秒に増加。
移動しながら攻撃できるようになったことで、キャピタルシップの落ちこぼれの汚名を返上し大活躍中のBattlecruiserさん。
まっすぐ行ってアーリーゲームからハラスに使ってよし、貯めてレイトゲームに使ってよしと言うことなしですが、
特にTvZで即Battlecruiserからワープ即ヤマトキャノンでQueenを落としたあとに暴れまわるのはやりすぎだと判断され、今回の研究時間増加になりました。
Cyclone同様対策が随時研究されている状況なので、今回はこの調整で様子を見たいようですね。といってもかなり大きな変更な気がしますが…
ザーグ
Ultralisk
- Anabolic SynthesisによるUltraliskのオフクリープにおける移動速度増加:0.41→0.82に増加。
4.8パッチから実装されたUltraliskさんのオフクリープでの移動速度増加研究ですが、今ひとつ大きなインパクトは無く、そんなのあったんだくらいに思っている人も多いのではないでしょうか。
もっと輝いてほしいということで、効果倍増の調整となりました。これにより、スティムを打ったMarine/Marauderよりもオフクリープの移動速度が早くなります。より追いつきやすくなりますね。
Nydus Network/Nydus Worm
- Nydus Wormの体力:200→300に増加。
- Nydus Worm出現中のアーマー:6→5に減少。
- Nydus Network/Nydus Wormの最初のアンロード時のディレイ:0.36→0.18に減少。
- Nydus Network/Nydus Wormのアンロードにかかる時間:0.36→0.18に減少。
- Nydus Network/Nydus Wormのロードにかかる時間:0.18→0.09に減少。
4.8パッチで生産コストが減少し、出現時の無敵効果が無くなったNydus Worm。
もっとハラスツールとして使ってほしかったというのが開発チームの意図だと思いますが、QueenのTransfusionのナーフもあり、結局オールインにもハラスにもあまり使われなくなってしまいました。
どげんかせんといかんということで、体力を増加することで落ちにくくしつつ、アーマーを減らすことで多くのユニットに殴られた時のダメージを増加させています。
加えてロード・アンロード時間を減少させ、瞬間移動ツールとしてのNydus Wormの使用を促進したいようですね。
プロトス
Adept
4.0パッチのChrono Boostの変更以降、テランは1体目のAdeptに長く苦しめられて来ました。4.8パッチでのCycloneの仕様変更もあり、TvPにおいてテランが最序盤で躓いてしまう要因の一つだったのですが、
Gatewayで生産した時の生産時間を少し伸ばしてテランがより安全にセカンドベースを坂下に確保できるようにしつつ、Warp gate以降に影響を及ぼさないようにしたいようですね。
Cybernetics Core
Warp Gateの研究時間:114秒→100秒に減少。
2011年5月にInca vs NesteaのGSL決勝直前にWarp Gateの研究時間が(当時のBlizzard Timeで)20秒伸び、困ったIncaさんが4連続DTエキスパンドを行い4連敗したあの事件を覚えているスタクラ勢ももう少ないかと思いますが、
それ以来初めてWarp Gateの研究時間に調整が入りそうです。
この調整には各マッチアップごとに理由がありますが、先日のOracleに適用しようとしたOracleのDPSが意図より高くなっているバグの修正(バランスを考慮して一旦差し戻し)もその一因となっているように思います。
PvTではプロトスの序盤の攻撃手段はWarp Gate以外に依るものも大きいため、この変更が与える影響はそこまで大きくないという見解です。新しい何かが生まれる可能性は当然ありますが・・・。
PvZがおそらくこの変更の最大の目的かと思いますが、Gatewayユニットが今までより早く出てくることで、今Oracleが果たしている防衛面の役割をGatewayユニットが代わりに担ってくれることを期待しているようです。
Oracleのバグが修正されてDPSが落ちたときに一番危惧されているのがザーグの攻撃に対する防衛ですので、Oracleのバグが治った後、そこを補うための変更になるのではないでしょうか。
ただし、今回の調整の影響を測るため、Oracleバグはまだ修正しないとも述べられています。
PvPでは一般的にStargateオープニングに強いと言われるGatewayユニットによるプッシュを促進し、Stargateスタートにリスクを増やしたい意図ですね。
しかしずいぶん思い切った所にメスを入れるなという印象です。Incaさん、見てますか?
Stalker
開発チームはPvZにおけるRobotics Bayユニットの活躍をもっと見たいようですが、現状そこまで見られる状況ではありません。
Robotics Bayユニットと相性の良いブリンクStalkerを出しやすくすることで、Robotics Bayユニットの活躍を促進したい狙いです。
加えて、PvPではStargateスタートにカウンターしやすくなるという面も持ちます。開発チームはよっぽどStargateスタートをなんとかしたがっているように見受けられますね。
Robotics Facility
大規模パッチの実装前に一度テストされたこの変更。前述したRobotics BayユニットをもっとPvZで活躍させたい意図から提案されたこの変更ですが、
ただImmortalがもっと使われるだけになりそうであること、キャノンラッシュからのプロキシロボImmoratalも増えそうであることからキャンセルになりました。
しかし開発チームはこの変更をやはり適用したいようです。次に紹介するImmortalの変更とセットですね。
Immortal
上記のRobotics Facilityのコスト減少とセットになっているのがこの調整。
Robotics Facilityのコスト減少でRobotics Bayに行きやすくしつつ、Immortal祭りにならないようにするためということですね。
Observer
- 移動速度:2.64→3.01に増加。
- Gravitic Boostersの移動速度増加:1.31→1.51に増加。
これもまたPvPにおけるStargateスタート一強状態を是正するための変更です。Stargateユニットに偵察能力で負けないように、という変更ですね。
もちろん、さんざん述べているRobotics Bayユニット活躍のための変更という意図もありそうです。
Oracle
- Light属性を削除。
- Armored属性を追加。
LightよりArmoredのほうが脆い不思議なゲームStarCraft2ですが、まさにその意図で今回も属性変更が使われそうです。
PvPにおいてPhoenixスタートしなかった時の敵のOracleは非常に脅威であることもお互いがStargateスタートを強いられる一因だと開発チームは捉えており、
この変更によりOracleを少数のStalkerで守りやすくなり、他のテックにも行きやすくなるだろうと述べています。
PvTにこの変更がどういう影響を及ぼすかも注視していきたいとのことです。VikingにはArmoredボーナスがありますので、おそらくそれ絡みでしょうね。
Warp Gate研究の所でも言いましたが、OracleのDPSが意図より高くなっているバグはこの調整では修正しないと明言されています。
Tempest
- 移動速度:3.5→3.15に減少。
- 加速度:2.8→2.1に減少。
PvTのレイトゲームにおいてプロトスが有利になっている一因がTempestの移動力だというフィードバックが来ているようで、この変更になっています。
今回合わせてThorの調整も入りますので、遅くなったTempestとのマッチアップがどうなるかを注視していきたいようです。