利用者:PSiArc/LotV初シーズンのマッププールにおけるメタゲーム
LotV初シーズンとなる2015Season4では、マップごとの差異が大きくなるような極端なマップが導入されたことでマップに合わせた戦術選択を軸として心理戦が始まる面が強調されていて、
これはHotSの2015 Season2のような大人しいマップばかりのマッププールにおいてプレイヤーの特色やオーダーに変化をつけることから心理戦が始まっていたことと対照的であるように感じる。
確かに2015 Season 3はGlobal Finalのある重要なシーズンにも関わらず極端なマップも混ぜられており「このマップだからこれなんだな」と感じられるオーダーも見られたが、
それでもLotV初シーズンほどの極端さはなかった。
目次
Ulrena
端的に言ってUlrenaのAir/Groundともに異様に短いRush Distanceは異常の一言であり、WoLの最初のシーズンかと言いたくなる。自陣への建設でありながらProxyをしているようなものだ。
Ulrenaにおいては強烈なラッシュビルドを軸に全てが回っていると言ってよく、プレイヤーはありとあらゆるラッシュを恐れることとなる。
ラッシュビルド>汎用的なディフェンスビルドの弱点を突けるテックビルド>ラッシュ全般に有効なディフェンスビルド>ラッシュビルド
というヘビの輪的捕食サイクルのどこに入れば目の前の試合で食う側に回れるかを考えて祈りながら身を投じるゲームである。
ありとあらゆる攻めが強化されているので普通のマップで安全目の拡張と考えられる程度のオーダーは使えても欲張りオーダーという選択肢はない。
ここで戦術を考えるときに「このプレイヤーはラッシュを得意としているから」などという情報は基本的に関係なく、
「どんな人間でもここでやるラッシュの味を知ってるから」を第一の論拠としなければならない。
距離の短さ
ところで距離が短いことというのはそれだけで大きな制約をもたらす。たとえばTvPにおいて即MSC AdeptハラスからのOracleを考えてみると、
これだけAirが近いのにReaperに行くとMarineが2体しかいないタイミングでMSCがやってきてしまう。よってReaperFEかReactorFEかという選択自体にもうすでに死亡フラグが潜んでいたりする。
RuinsのAir最短、Centralの陸最短などでも似たような問題が発生するが、Reaperに向かうこと自体が賭けの選択になってしまうというのはかなりとんでもない話である。
Central Protocol
Central Protocolなどは1stへ侵入できる裏岩がある点や拡張が散らばり開けていて拡張しづらい点は今までもありがちだった糞マップのようにも見えるが、
そもそもこのご時世にしてはマップサイズが小さく、地上close spawn時のRush Distanceの異常な短さはUlrenaにも引けをとらない。
距離の短さと登れる崖の圧倒的広さでReaperAll-in(vZvT)やBlinkerハラスの類も必要以上の強さがある。
Ulreanaでは通路が細いゆえに最短距離で進軍できなくなるタイミングというのがあるがそれもない。
距離が短ければラッシュ地獄、クロスで距離があれば拡張妨害地獄である。
Ruins of Seras
Ruins of Serasは2ndの周りが広くてラッシュした側が戦いやすいのに加えて1stの周りにBlink-inしたりエレベーターできるポイントが非常に広いため
可能なラッシュ・ハラス戦術が増える。ひいては全体的な可能性をカバーするとディフェンスのためのコストが増える。
反面reaperの1stへのジャンプ侵入経路が存在しないことでTvTにおけるオーダーはややマリーン寄りに傾く。2nd周りが広いことからマップコントロールの効果はありreaperがゴミになるほどではない。
配置によるムラも激しい。close positionや縦配置の場合と対角配置とではラッシュの有効性も攻めやすさも大きく異なる。
closeでは当然正面からのオールインが一気に強くなるし縦配置では当然アデプトオールインや早いドロップハラスの類が強くなる。
対角配置ではハラスしながら内政を伸ばすようなプレイが強くなるが、closeでそれをやろうとすると正面プッシュへの対応との兼ね合いが難しい。
Orbital Shipyard
こいつも大人しい清楚なマクロマップですって顔をしておきながら実はとんでもない。
崖を挟んでSCVで偵察しづらい位置にProxy RaxできるからTvTにおけるReaperオールインは非常に鬱陶しい存在だし、
TvTといえば「正面プッシュしにきたけどやっぱ生産施設狙う位置にタンク置くわ」という動きが可能な地形で、ドロップできる場所も多くドゥームドロップに必要な距離も短いので受けに回って不意を突かれると非常に面倒。
TvZでは崖だらけなのを利用してマクロ気味のマスリーパーが内政を制限しにきてZergは鬱陶しくてたまらない。
uThermalなんかは「使える段差がいくらでもあるから正しくマイクロしていればこのマップではTvZで最初に出したReaper6体が死なない」と言っている。
1stと2ndの間や2ndのミネラル裏のLiberatorスポットも非常に面倒。3rd裏の岩向こうも中射程ユニットで3rdのガスを狙えてTankで3rdベースとミネラルラインを狙えるので全マッチアップで鬱陶しい。
Prion Terraces
3rd4th候補が堂々のリッチベースであり、他のマップとは資源収入の伸び方が根本的に異なる。
基本的にリッチをいち早く活かしやすいZergが強いマップといえる。活かし方も普通に拡張するだけでなくGas PoolやEarly Poolでスタートして相手の2ndを遅らせながら自分は安全に2ndをリッチに取るパターンなど搦手が存在する。
TvZでの狙いは主に2通りで1つは資源差を利用して攻められるタイミングで死なないように安全にプレイしながら、マップ的に拡張が段々広がっていくことを活かしてマルチタスクで相手の拡張を割ることを狙うタイプで
もう1つはマクロリーパースタートやProxy raxで序盤からドローンの伸びをそもそも妨害し続けたり何らかの特別なタイミングプッシュでダメージを与えることを狙うタイプ。
地味に段差が多く2ndと1stの間の連続ジャンプ可能な段差や3rdリッチ前の高台の段差を利用した逃げ方などがあるのでTvZのマスリーパーがそれなりに使え、
1st裏の広い段差(2段ジャンプ可能なので最下段と中断のジャンプで上部の視界が取れ崖際に待っているSCVに爆弾を投げられる)があるのでTvTのプロクシリーパーが使えるマップでもある。
Liberator
Liberatorはその性質上マップにQueenやRavagerに攻撃されにくい美味しいスポットが存在するかどうかで強さが変わり、序盤のLiberatorハラスの採用率が変わる。
Liberator1体にとって美味しいスポットもそうだが、Liberator2体がカバーしあうようにシージした場合の処理が非常に面倒なスポットにも注意する必要がある。
ただどんなに美味しいスポットがあっても基本的にSporeを前もって用意できていれば埋め直すだけで引かせられるためLiberatorの効果はザーグの判断とオーダーに依存する。